ニューヨークのインテリアショップを見て回ると、鉱石をライフスタイルに取り入れた、インテリアディスプレイのプレゼンテーションに多く出会います。ニューヨーカーは自由な感性で美しいものを、個性豊かに取り入れるのが上手です。
日本では鉱石と聞くと、パワーストーンを連想するかもしれません。確かに、鉱石にはスピリチュアルな側面もありますが、その美しさは唯一無二です。長い年月をかけて地球が作り出した奇跡の結晶は、まさに地球からの贈り物と言えるでしょう。
ここでは、クリエイティビティを刺激する天然鉱石を取り入れたインテリア空間のスタイリングテクニックをご紹介します。
天然鉱石とアートを愉しむ、 インテリアスタイリング
力強い地球のエネルギーを感じる、 ブラックトルマリンの原石
ブラックトルマリンの原石を手にした瞬間、その穏やかながらも圧倒的な存在感に魅了されました。ざっくりと切り出されたようなラフな造形と、光沢のある漆黒が、マニッシュな魅力を放ちます。植物とアートとの調和をはかりながら、空間をスタイリッシュに演出しました。
洋書「Modern Contemporary」の上に、ブラックトルマリンを配置。その漆黒の存在感は、赤いジオメトリックな図形との対比によって一層際立ちます。さらに、大胆な葉のフォルムが特徴的な「オオタニワタリ」は、空間に力強さと洗練された魅力をもたらしています。スタイリングはとてもシンプル。天然鉱石、洋書、植物の3要素でスタイリングが完成します。
背景に飾ったアートは、私の娘が小学校の図工で作ったものです。スタイリングによっては、現代アートのようにも見えるので不思議ですが、それはブラックトルマリンがスタイリングの主役になっているからです。
地球の鼓動を感じる ナチュラルなアメジストクラスター
美しいアメジストフラワーは、まるで結晶の花が咲いたような姿をしています。インテリアのアクセントとして置いただけも、瑞々しい深紫の結晶群がキラキラと輝き、その姿は野趣溢れる中にも華やかさを感じさせます。
気品に満ちた個性的な花を組み合わせることで、お互いを引き立て合いながら、それぞれの個性が際立つスタイリングが完成します。さまざまな種類の花の中に紫を取り入れることで、アメジストのカラーリングとリンクし、見る人の視線を自然に導きます。
ブルーアイズのノエルくんも、このスタイリングがお気に入りのようです。モデルとして初登場してくれたカットを記念の一枚として、載せることにしました。
内側の結晶がキラキラ輝く 神秘的な水晶ジオード(晶洞)
恐竜の卵のような形をした原石を割ると、キラキラと輝く水晶の結晶が出てきます。この美しい水晶を、ドレッサールームに飾りました。パールやシルバー、ゴールドのお気に入りのアクセサリーたちを、ミラートレーの上にラフに並べています。ミラートレイは、岩石の表面を隠さないために選びました。シンプルなスタイリングが、水晶の美しさを引き立てます。
トレイには、小さな天然鉱石が二つ添えられています。一つは2億年から1億5千年前のアンモナイトの化石で、もう一つはサードニクスという鉱石を研磨したものです。異なる種類や大きさの鉱石を組み合わせるのも楽しみの一つです。
毎日のアクセサリー選びに、心ときめく瞬間を愉しませてくれるディスプレイです。
天然鉱石とアートを愉しむ、 ワークデスク
鉱石とアートをデスク上に美しくスタイリングしました。お気に入りのアートブックの開かれたページと個性豊かな鉱石が織りなす出会いは、セレンディピティの連続。まるで化学反応のように、新しい美が次々と開かれていきます。
自然の造形美である鉱石は、アートにも負けない力強さと唯一無二の美しさを持っています。その日の気分で、アートブックのページと鉱石の配置を変えてみるのもおすすめです。デスク上の小さな世界は、クリエイティビティーを刺激してくれる大きなパワーを感じられます。
洋書「Modern Contemporary」の赤いジオメトリックな図形のページに、アンモナイトの化石とサードニクスをコーディネート。大きなアンモナイトは、中世のジュラ紀から白亜紀(2億年から1億5千万年前)の化石で、「ペリスフィンクテス」として知られています。その存在から、悠久の歴史のロマンを感じることができます。
※洋書左ページ:デザートローズ(砂漠の薔薇)、パロサント/洋書左:水晶ジオード(晶洞)/洋書上: クリアクオーツ、セレナイト キャンドルホルダー/洋書右:ブラックトルマリンの原石/洋書下:アメジストフラワー、トラバーチン(プレート)
洋書「Andy Warhol」アンディ・ウォーホルの有名なバナナのドローイングには、デザートローズ(砂漠の薔薇)、小さなアンモナイトの化石、そしてサードニクスを組み合わせました。また、ページの余白には、アメジストフラワーやパロサントを配置して、ニューヨークのポップアートとの融合が、爽やかな雰囲気のワークデスクを完成させました。
※洋書上:クリアクオーツ、セレナイト キャンドルホルダー/洋書右: ブラックトルマリンの原石/洋書下:アンモナイト、トラバーチン(プレート)
洋書「Roman and Willams 」アメリカのインテリアデザイナー、ローマン&ウイリアムスの著書の中で、二人の住まいであるモントークの家を紹介するページで、このコラージュを見つけました。その世界観の中に、天然鉱物石を配置してみました。トゥーマッチなくらいに、たくさんの種類を入れましたが、不思議な魅力を持つコラージュが完成しました。
※洋書上(右):アメジストフラワー、アンモナイト、サードニクス、 ブラックトルマリンの原石、洋書上(左):水晶ジオード(晶洞)、デザートローズ(砂漠の薔薇)/洋書上:クリアクオーツ、セレナイト キャンドルホルダー/洋書右: トラバーチン(プレート)
Photo by Yukiko Maeguchi
※Styling 1〜3
撮影協力 SPUNKY&COCO
インスタグラム:@spunky_and_coco
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