深まる秋にご提案するのは、居心地の良いカフェ空間のディスプレイ。
昼は窓辺に陽だまりを探して、夜は優しく照らしてくれる灯りを取り入れて、ほっこり温かみのあるディスプレイをつくりましょう。家で過ごす時間が長くなってくる秋、「おうちカフェ」インテリアは、自宅のちょっとしたコーナーに取り入れるのもおすすめです。
Monthly Theme 10月
おうちカフェ始めませんか? 居心地の良いカフェ空間のディスプレイ
アールデコ調のアンティークライトを主役に
小さなカフェのウエルカムスペースをイメージしたディスプレイです。主役は、アールデコ様式のクラシカルなデザインのスタンドライト。アームの中ほどにアクセントとしてあしらわれた、ライムグリーンの陶器がアクセントです。1点もののアンティークがあるだけで、その場の空気感が変わってきます。高さのあるスタンドライトがあれば、アンティークでなくてもOKです。
テーブル上には、マグカップとオブジェのようなフラワーベースをスタイリング。空、森、土、湖といった、自然のインスピレーションをカラーパレットにして、丸みのあるフォルムを組み合わせています。
ポイントは、異素材ミックス。「陶器×ガラス」「木製×金属」などのように、暖かみのある素材と冷たい素材を組み合わせて、ちょっとした「違和感」をつくることで、ディスプレイにメリハリ感が生まれます。
そしてもうひとつのメリハリポイントとして、ドライフラワーに注目です。「ふわふわ×トゲトゲ」という、質感の違うものを組み合わせています。どれが「ふわふわ」か、わかりますか?
空間に焦点をつくり、そこへ目線を誘導するディスプレイの効果を得るには、統一感を持たせながらも、あえてちょっとした違和感をつくり出すのがプロのテクニックなのです。
テーブルが置けない場合は、椅子をテーブル代わりにしてみませんか?
お店でもおうちでも、椅子1脚ならありますよね。スタンドライトと椅子1脚だけでも、セオリーに沿ってディスプレイすれば、素敵なウエルカムスペースがつくれます。ポイントは、座面の上を小さな小物でまとめるのではなく、大きく長いアイテムで大胆に飾ること。安定感のある椅子の存在は、遊びのある演出を包み込んでくれる、包容力があります。
陽だまりを探してフォトスポットづくり
写真映えする「おうちカフェ」のディスプレイをつくるなら、自然光の入る場所にセッティングしましょう。秋の陽だまりの中でくつろぐような、居心地の良さを伝えることができます。
カフェディスプレイに欠かせないアイテムは、コーヒーとスイーツと本の3点セットですが、テーブル上に並べると、高さがないため平面的になりがちです。
そんなときは、「三角構成」のテクニックを使いましょう。高さのあるヴィンテージのスタンドライトを背景にすると、見せたいカフェシーンを立体的に見せることができます。
今回のフォーカルポイントは、かぼちゃ型のマリトッツォ(イタリアの伝統菓子)。 トレンド感のある秋らしさを演出するのにおすすめ。スタンドライトのアームには秋らしい葉や実ものをつけて、目立たせるのもポイントです。
三角構成って何?と思った方は、3つのセオリーだけで、迷わずおしゃれに決まる「ベーシックセオリー」を読んでくださいね!
テーブルクロスに見立てているのは、古い世界地図が印刷されたペーパー。新聞紙のようなラフな素材です。「旅」を連想させるようなアイテムを取り入れると、世界のどこかに思いを馳せる、素敵な時間が過ごせそうですね。フレームに入れて飾ることもでき、数枚持っているとスタイリングに役立つアイテムです。
カウンターの模様替えに 「リピート構成」テクニック
小さなカフェカウンターを、秋仕様に模様替えしてみました。木の暖かみのある内装に、アンティークの椅子やライトなど、こだわりのインテリアが素敵な空間。今回はカウンター上をディスプレイスペースとして大胆に活用するテクニックを紹介します。
この写真を見ると、自然とカウンター上のディスプレイに目が留まりませんか? それは、横長の空間へ目線を誘導して印象付けるために「リピート構成」のテクニックを使っているからです。
「リピート構成」とは、ひとつのパターンを繰り返しで見せて、リズム感や連動性を感じてもらうテクニック。ここでは、フラワーベースと本を等間隔に配置して、ドライフラワーもそれぞれにあしらっています。目線を誘導しながら繰り返して見てもらえるので、ディスプレイを強く印象付ける効果があります。「三角構成」とともに覚えておきたい構成テクニックです。
Display Items
今月のディスプレイアイテム
おすすめのディスプレイアイテムは、丸みのあるコロンとしたシルエットのフラワーベース。3つを組み合わせるとユーモラスな印象に。フラワーベースの個性が強いので、素朴な雰囲気のドライフラワーを合わせました。そして、今回のディスプレイ全てに活用している便利アイテムは、「ダミーブック」。縦に置いても横に置いても、開いた状態でも使える優れもの。本を重ねて高さを出し、商品の展示台にするのも定番の使い方です。
Photo by Yukiko Maeguchi